アシスト探偵事務所で実際に受注した調査業務の中で、少し変わった事例をご紹介。
急に旦那の帰りが遅くなったというケースで、どのような出来事があったかを見ていきましょう。
「パートナーが浮気をしているかも?」と不安になった時のために、参考になれば幸いです。
なお、依頼者のプライバシー保護のために内容は一部、あえて変えさせていただいています。
登場人物や地名に関してもすべて架空のものとしていますのでご了承ください。
毎日定時に変えるパートナーだったのに……
Xさん夫婦(仮名)は、東京都の郊外に暮らし、20年近く生活をともにしていました。
旦那さんのZさんは東京都都心のメーカー勤務。
通勤に約1時間かかるものの、毎日だいたい19時すぎには帰宅し、一緒に夕食を食べることが多かったそうです。
夫婦間の会話も別に少なくはなかったそうで、帰宅をして一緒にテレビを観たり他愛のない会話をしたり、団らんの時間を楽しんでいたそうです。
妻のYさんはその生活に特に不満はなく、平凡ながらも「この生活がずっと続いていくんだろうな」と思っていました。
老後に向けての蓄えも少しずつ準備をしていて、安定した暮らし。
Zさんもその生活に特に不満を漏らすことはなかったそうです。
ある日を境にZさんの帰宅時間に変化が
ところがある年の新年度に入り、Zさんの帰宅が少しずつ遅くなり始めました。
「このところ、歓送迎会が多くて」と、外で食事をしてくることも増えました。
「コロナ禍の外出自粛の反動で飲み会が増えたのかな?」
Yさんはそう言い聞かせて帰宅が遅くなるZさんの事情を理解しようと努めました。
しかし、1カ月がすぎても状況は変わらず、週に3日は外食をしてくるようになりました。
Zさんはそれでも事前に「今日は帰りが遅くなるから」「外で食べてくるから」と事前に断りを入れてくれたそうです。
それでもYさんからすると「これまではほぼ毎日家で食べていたのに」という気分になって落ち着かない毎日でした。
何も証拠がない以上、動くことはできない
Zさんの帰宅が遅くなるのは、数ヶ月がたった夏にも変わりはありませんでした。
「さすがに何かあるのでは?」という疑心暗鬼が、Yさんの中に芽生えていきました。
そんな時にアシスト探偵事務所に相談をしてくれたので、実際に調査を行うことになりました。
こういう時、Yさんのような立場の方は「探偵に相談をして何もなかったら申し訳ない」という気持ちからためらうことが多いそうです。
しかし、探偵は調査をするのが仕事なので、気にする必要はまったくありません。
相談自体は無料なので、話を聞かせていただいて適切なご提案をさせていただきます。
今回のケースでは旦那さんの浮気の可能性があったため、尾行をして調査をすることになりました。
旦那が妻に内緒でアパートを借りていた
このような場合、旦那さんが「今日、帰りが遅くなる」と言った日の仕事終わりに尾行をして調査します。
職場の住所を教えてもらってZさんがオフィスから出てきたところ、後ろからついていくことにしました。
このような時、困るのは急にタクシーに乗られるなど突発的な行動に出ること。
それに備えて車を用意することも多いのですが、Zさんは徒歩と電車での移動でした。
浮き足だった様子はなく、ごく落ち着いた足取り。
Yさんが待つ自宅に帰るのと同じ沿線で移動し、2駅手前で降りました。
そして、Zさんはコンビニエンスストアに立ち寄って夕食らしきものを買い、単身者が住みそうなアパートへと入っていきました。
この時点で疑惑が深まってきます。
複数回の証拠をつかむ必要がある
旦那が見知らぬアパートで夜をすごす。
この時点でかなり怪しいわけですが、いわゆる不貞行為の証拠は1回だと弱いです。
そのため複数回の調査をするのが普通で、今回のケースもこの1回では終わりませんでした。
そもそも、この段階ではZさんはアパートにひとりで入り、その後ひとりで出てきて帰宅しただけでした。
異性と一緒という証拠も押さえられていません。
当然ながら2度目の調査を行ったところ、そこでも状況は変わりませんでした。
妻のYさんに調査報告をすると「怪しいので、もっと調べてほしい」とのことでした。
ところが3度目になっても、浮気相手と思しき人は浮かび上がってきませんでした。
これ以上、操作を続けると調査費用ばかりがかかってしまいます。
そこで、当事務所としては、別の角度から調査をすることを検討しました。
「まず、アパートの名義人を調べる」
それが次のミッションとなりました。
この場合、仲介をしている不動産会社に聞くか、近隣の人への聞き込みをするといった方法がとられるのですが、そう簡単にはいきません。
昨今、隣に住んでいる人がどんな人か全く知らないケースがほとんどですし、不動産会社も個人情報を簡単に公にはしないものです。
それでも借主がわかり、そこに異性の名前があれば違った角度での調査が可能です。
結果は意外な結末に
結局、アパートの借主は意外な形でわかりました。
なんとXさん夫婦の自宅に契約書があったのです。そして、借主の名義はZさん。
旦那さんが自分で借りていたのです。
妻のYさんがZさんの仕事道具が並ぶクロゼットから契約書を見つけたのです。
こうなってくると、可能性としてはZさんが誰かのために借りていた……というケース。
しかし、一向に別の異性の影は出てきません。
当事務所は、これ以上調査費をかけないようにと、勧誘を装ってZさんがアパートにいる時に接触を試みました。
すると結果は、Zさんがひとりで暮らしていました。
つまり、結果は白。
Zさんは昇進のために必要な資格の勉強を、妻のYさんにバレないようにしていたという結果でした。
後日、ZさんはYさんに謝罪しつつ「老後のためにもう少し蓄えを増やすために、格安のアパートを借りて勉強をしていた」と告げました。
Yさんは「だったら事前に相談してくれれば良かったのに」という気持ちを抱きつつもホッとしたそうです。
この年の10月、Zさんは無事、試験に合格し、手取り収入も増えたそうです。
結果的にアパート代を指しい引いても生涯賃金はプラスになりそうだとのことでした。
わかり合っているからとコミュニケーションをおろそかにはしないこと
しかし、Yさんの心には少しの傷ができたと思います。
Zさんが無断で別の家を借りていたことは事実ですから。
確かに浮気はしていなくても、パートナーに内緒で別の住まいを借りるのはおだやかではありません。
集中して勉強をしたかったというのはいいことですし、妻を驚かせたい気持ちはあったかもしれません。
それでも、コミュニケーションロスが夫婦の仲をぎくしゃくとさせることはままあります。
浮気ではないという結果に胸をなで下ろしつつも、夫婦間で何でも話し合うことの大切さを実感する調査でした。
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